祖父の口癖に「マンガ、マンガ!」とどちらかと言えば、あきれた時や社会の事象について言うことが多かった。マンガを中傷してるわけではなく、おそらくこの世界には漫画家のような人が物語を作っていて、それを僕は自分の人生のように思っていたのだということ。シナリオや脚本は準備されていて、例えば結婚しようとしたカップルがその漫画のストーリー外の生き方へ向かったり、結婚する相手が違ってたなら何か違うちからが強く働き、その漫画の世界へ連れ戻されてしまう。一見ファンタジーのようなことが実は遠い場所から見れば現実であるのなら、祖父の言う通りここは「マンガ、マンガ!」となるのかもしれない。運命をなにか強いものにコントロールされることに抗って生きてきた。それは151年の神代眼鏡店の歴史でもあると考えています。
どうして、2代目店主、三子一は5度の結婚をしてきたのか…今なら僕には感じるわかる部分もあります。神代という家に生まれてきた人の歴史の部分も含めて。千恵子姉ちゃんにこの家の祖父と父の絵や、それにまつわるものを手放してはいけないと言われたこと。このことも今のぼくにはよくわかる。神代眼鏡店とクマシロ眼鏡店とkumashiroptique。これからどう店名を使用するかによって、これからの生命線が決まってしまう。これはぼくの決断の中でいちばん難しい課題であります。そしてそのことがお客様にいちばんよい形になるよう考えていきたいと思います。某電力会社のような金まみれなことでもまかり通る時代に、店舗少なくとも残ってきたお店の誇りはクマシロのお客様の存在。そのために出来ることを日々追求するのみでございます。