音には飛び込んできた時に迫ってくるグルーヴがあり、耳や体感でダンスが生まれる瞬間がある。腰からベース音を捉えればビートメーカーになるのはフロアにいる僕自身になる。いつのまにか身体が止まらなく動き出していた。真似事でアーケードで踊ってたブレイクダンスとは違う華やかなフロアでのダンス。かっこ悪くて下手だけど本人には気持ちいいだけのものだった。一度知ってしまった快感はもう戻ることは出来ずダンスって楽しさにのめり込んでいった。フロアには時より映えるボディコン色多めのお姉様が陣取り、それを追いかけるようにハイエナのような男たちがボビーブラウン調のゴールドネックレスでたむろしていた。縄張りのようなスペースがvipルームとは別にフロアにも存在していて、かかっているユーロビートにはみんなで踊る共通項である振り付けがあったのである。パラパラである。最初はそこへの反発で自由に踊ってみたくなった。身体はのってはいるものの持て余しているような動きに周りの失笑をかってしまう。悔しいと言うより寂しさと違和感が込み上げる。それでもただ好きな音にあるがまま踊り続ける夜が続いてゆく〔続〕